
美しく上品な輝きを放つプラチナジュエリー。その価値や純度を知るうえで欠かせないのが、「刻印」の存在です。
リングやネックレスの内側などに刻まれている数字やアルファベットは、実はプラチナの純度や素材の特性を表しており、知識があれば本物かどうかを見極める重要な手がかりになります。
しかし、刻印の意味や種類は一般の方にはなかなか分かりづらいものです。そこで本記事では、プラチナに刻まれている記号の種類や意味についてわかりやすく解説します。プラチナ選びで失敗しないための知識を身につけましょう。
プラチナにある刻印とは

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まずは、プラチナにある刻印について詳しく解説つします。
純度を示す
プラチナ製品に刻まれている数字やアルファベットは、素材の純度を示す大切な情報です。例えば「Pt950」の刻印であれば、その製品に95%のプラチナが含まれていることを意味します。
プラチナはとても希少で高価な金属です。純度が高いほど価値も比例して高くなります。
この刻印を確認することで、購入するジュエリーが本物のプラチナかどうか、またどれくらいの純度を持っているのかを見極める手がかりになります。
純度は見た目だけでは判断できないため、刻印の確認はとても重要です。信頼の証
プラチナ製品に刻まれる印は、品質の信頼性を証明するものでもあります。ブランドや製造元が品質に責任を持っているという「保証」の意味を持つことが多く、信頼できる製品であることのひとつの目安になります。
特にジュエリーは日常的に肌に触れるものですから、安心して使える素材であるかは大切なポイントです。
信頼性のある刻印があるかどうかを確認することは、見た目だけでなく長く使ううえでも重要なチェックポイントとなります。
法的な基準となる
日本では、貴金属の表示に関して「特定商品に係る表示及び広告の適正化に関する法律」(いわゆるJAS法)や「貴金属の品位の表示に関する公正競争規約」によって、刻印の表示基準が定められています。
上記の基準には、消費者が誤って低品質な製品を高価なものと信じて購入するのを防ぐ目的があります。
例えば、プラチナ製品として販売するためには、最低でも85%以上の純度(Pt850)が必要とされており、それ未満のものにはプラチナの名称を使うことが認められていません。
刻印は、製品の信頼性だけでなく、法的にも重要な役割を担っているのです。
プラチナの刻印の種類
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プラチナ刻印の種類には、代表的なものとして以下の5つに分けられています。
- 950
- 900
- 850
- 800
- 750
それぞれの数字がどのような意味を持つのか、以下で詳しく見ていきましょう。
950
Pt950は、プラチナの純度が95%であることを意味する刻印です。現在、婚約指輪や結婚指輪などのブライダルジュエリーの素材として主流となっています。
強度と美しさのバランスに優れており、長期間身に着けるアイテムにおすすめです。残りの5%にはパラジウムやルテニウムなどの金属が混ぜられ、強度を高める工夫がされています。
上品な白色と高い耐久性を持つことから、高級ジュエリーに多く使われています。
900
Pt900の刻印は、プラチナの純度が90%であることを示しています。かつて、日本における結婚指輪の主流素材として広く用いられてきました。
純度が高すぎると柔らかく傷つきやすくなるため、90%程度に調整することで耐久性が増し、日常使いに適した硬さを実現しています。Pt950と比べると若干プラチナの割合が少ないものの、価格とのバランスが良く、現在も根強い人気を誇るグレードです。
850
Pt850は、プラチナの純度が85%であることを表す刻印です。ネックレスやブレスレットなど、ジュエリーの中でも比較的負荷が少ないアイテムに多く使われます。
純度が下がるぶん、加工しやすく、またコストも抑えられるため、手頃な価格帯の製品に選ばれやすい素材です。ただし、純度が低い分、変色やアレルギーのリスクが若干高まることもあるため、肌が敏感な方は注意が必要です。
800
Pt800は、プラチナが80%含まれていることを示す刻印です。日本国内ではあまり見かけませんが、海外製品では比較的一般的です。
純度が低めのため、価格もリーズナブルですが、日本の基準では「プラチナジュエリー」として販売できない場合があります。輸入品などを購入する際には、純度の確認をしっかり行いましょう。
750
Pt750は、プラチナの含有率が75%であることを示します。これは純度がかなり低めの部類に入ります。Pt750の製品は通常、工芸品や一部の海外製ジュエリーに見られますが、日本の法的基準では「プラチナ製」として認められない場合が多いです。
見た目では区別がつきにくいため、しっかり刻印で純度を見極めることが大切です。また、購入時には信頼できる店舗を選ぶことも重要なポイントとなります。
プラチナと間違いやすい刻印もある
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プラチナとよく似た素材や刻印も存在するため、混同しやすいケースがあります。例えば「Pt」とついていても、後ろに数字がない場合や、純度が不明なものは要注意です。
また、「PM」と表示されている刻印は「プラチナメタル(Platinum Metal)」の略ですが、実際には純度が低いか、もしくはプラチナではない場合もあります。
さらに、白金系のメッキ加工が施された製品に「プラチナ仕上げ」などの紛らわしい表示がされていることもあるため、購入時は素材と刻印の意味を確認しましょう。信頼性のある刻印が入っている製品を選ぶと、後悔のない買い物ができるでしょう。
プラチナの刻印の確認方法
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プラチナの刻印を一般の方が判断するのは難しい面もありますが、一般の方でも確認する方法はあります。
- 肉眼で確認する
- ルーペを使用する
- 専門家に依頼する
- 光にかざす
- 質屋で確認する
それぞれの確認方法を詳しく見ていきましょう。
①肉眼で確認する
刻印はジュエリーの裏側や内側など、あまり目立たない部分に小さく刻まれていることが多いので、まずは丁寧に観察してみましょう。「Pt950」「Pt900」などの数字とアルファベットが刻まれていれば、それが純度を示しています。
ただし、刻印が非常に小さく、摩耗して読みづらくなっていることもあるため、注意深く見る必要があります。光の当て方を工夫したり、角度を変えながら探すと見つけやすくなるでしょう。
②ルーペを使用する
刻印が小さすぎて肉眼での確認が難しい場合は、ルーペや拡大鏡を使うと効果的です。宝石鑑定士が使用するような10倍程度のルーペがあれば、細かい刻印でもはっきりと読み取れます。
自宅に高倍率のルーペがない場合でも、スマートフォンのカメラでズーム機能を活用すれば、ある程度は刻印を確認できることもあります。重要なのは「どこに刻印があるか」を把握しておくことです。
リングであれば内側、ネックレスやブレスレットなら留め具付近を重点的にチェックしましょう。
③専門家に依頼する
自分では刻印を見つけられなかったり、刻印が不鮮明で意味がよくわからなかったりした場合には、ジュエリーショップや宝石鑑定士などの専門家に依頼するのがおすすめです。専門的な知識を持つプロであれば、刻印の読み取りや真贋判定にも長けており、自信を持って判断してくれます。
また、刻印がない場合や偽刻印の可能性がある場合にも、素材や製造背景から本物かどうかを見極めてくれるため、安心して相談できます。
④光にかざす
光の加減を利用して刻印を確認する方法もあります。強い光の下でジュエリーを斜めに傾けると、通常の角度では見えにくい刻印が浮かび上がって見えることがあります。
特にプラチナは光で強く反射する傾向があるため、刻印を見落としがちです。そのため、自然光やLEDライトなど複数の光源で試してみるのがおすすめです。
また、スマートフォンのフラッシュ機能も活用できます。反射をうまく使いこなすことで、意外と簡単に刻印を発見できることもあります。
⑤質屋で確認する
お手元のジュエリーがプラチナかどうか不安な場合は、質屋に持ち込んで確認してもらうのも有効です。質屋は素材の鑑定に慣れており、刻印だけでなく重量や磁性、色合いなど複合的な観点から真贋を判断してくれます。
特に古いジュエリーで刻印がすり減っている場合や、リサイクル品を購入した場合などは、一度プロの目で見てもらうと安心です。無料で簡易鑑定を行ってくれる店舗もあるため、気軽に相談してみると良いでしょう。
ブランドガーデン株式会社では、知識と経験が豊富なスタッフが得意の確認をいたします。お気軽にご相談ください。
本物と偽物のプラチナの見極め方
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プラチナには残念ながら偽物が紛れ込んでいることもあります。ここからは、本物と偽物のプラチナの見極め方をご紹介します。
- 刻印を確認する
- 比重を確認する
- 磁石にくっつくか試してみる
- 査定を依頼する
刻印を確認する
基本的な見極め方法は、刻印の有無とその内容を確認することです。正規のプラチナ製品には「Pt950」「Pt900」「Pt850」など、純度を示す刻印が施されているのが一般的です。
ただし、偽刻印や、あえて刻印を似せて作られた製品も一部に出回っているため、「刻印があるから安心」とは限りません。見慣れていない人が判別するのは難しいため、刻印の場所や表示の形式が正しいかどうかを調べることも重要です。
比重を確認する
プラチナは非常に密度の高い金属で、他の金属よりもずっしりとした重みがあります。この「比重」を確認することで、本物かどうかを見極めるヒントになります。
例えば、見た目がプラチナに似ていても、ステンレスやホワイトゴールドであれば重さに差が出るため、明らかに軽く感じた場合は偽物である可能性が高いです。専用の比重計がなくても、同じサイズのジュエリーと比較してみると違いがわかることもあります。手に持ったときの重量感も大切な判断基準です。
磁石にくっつくか試してみる
プラチナは磁石に反応しない非磁性の金属です。したがって、磁石にジュエリーを近づけてみて、くっつくようであれば、プラチナではない可能性が高いと言えます。
ただし、合金にごく微量の鉄成分が含まれていると、わずかに反応する場合もあるため、あくまで簡易的な目安として捉えることが大切です。とはいえ、この方法は誰でも手軽に試せるため、簡易チェックとして非常に便利です。疑わしい場合は、他の方法と併用して判断しましょう。
査定を依頼する
最終的に確実な判別をしたい場合は、信頼できる業者や鑑定士に査定を依頼するのがベストです。貴金属の専門知識を持ったプロであれば、刻印や重量、見た目、素材の反応などを総合的に判断し、本物かどうかを正確に鑑定してくれます。
特に高額なジュエリーや譲り受けた品については、自分で判断せずにプロに任せた方が安心です。査定は無料のケースも多く、気軽に利用できるため、不安があるなら早めに相談するのがおすすめです。
まとめ
プラチナ製品の刻印を確認することで、その純度や真偽を見極められます。肉眼やルーペでの観察から始め、必要であれば専門家の手を借りることも検討しましょう。
また、磁石や重さなどを使った簡易的なチェック方法も覚えておくと便利です。ただし、判断が難しい場合は、プロに査定を依頼するのが一番確実です。
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