
近年、金の価値が再び注目を集めています。特に2020年以降、世界的な不安定情勢やインフレへの懸念を背景に、金の買取相場は高値を更新し続けています。「なぜこんなにも金の価値は高いのか?」「今売るべきタイミングなのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、金が高く評価される4つの理由に加え、現在の相場が高騰している背景などもわかりやすく解説します。
金の基礎知識
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美しい輝きを放つ金は、ジュエリーや投資対象として私たちにとって身近な存在でもありますが、その基本的な性質や分類については意外と知られていないかもしれません。金がなぜ長い歴史の中で大切にされてきたのか、どのような特徴を持っているのかを知ることで、より深くその価値を理解することができます。ここでは、金のもつ物理的特性や、純度によって分類される種類も詳しくご紹介します。
金とは
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金は、元素記号「Au」、原子番号79の金属で、地球上でも特に希少性の高い貴金属のひとつです。その名前の由来でもある「金色」の輝きは、他の金属にはない特別な美しさを持ち、多くの人々を魅了してきました。
金は柔らかくて延性に富み、自由自在に加工しやすい性質があります。また、酸や水分に強く、酸化しにくい特性も兼ね備えているため、長期的に輝きを保ちやすく、装飾品や硬貨、工芸品としても重宝されています。
金は大きく5種類に分けられる
金は純度の違いにより、主に5つの種類に分けられています。最も純度の高いものが「24金(K24)」で、これはほぼ100%に近い純金です。
そのほか、22金・18金・14金・10金と続き、それぞれの金には銀や銅、パラジウム、ニッケルなどの金属が混ぜられており、強度や色味、価格面でも違いがあります。
以下に、各種金の純度をわかりやすく表にまとめました。
金の種類 |
金の含有量 |
24金(純金) |
99.99%以上 |
22金 |
91.7% |
18金 |
75% |
14金 |
58.5% |
10金 |
42% |
金の価値が高い理由
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金は、昔から「安全資産」として広く知られ、多くの人にとって信頼できる投資対象となっています。ここでは、金の価値がなぜこれほどまでに高いのか、その理由を4つのポイントに分けてご紹介します。
希少性が高い
金が高い価値を持つ大きな理由の一つは、「希少性」です。地球上に存在する金の量はごくわずかで、採掘できる地域も限られています。
加えて、金を掘り出すには高度な技術と多額のコスト、そして長い時間が必要です。年間の採掘量も一定で、急激に供給が増えることはありません。
上記の背景から、金は他の資源に比べても非常に希少で、その分市場での価値も自然と高まるのです。
世界的信用が高い
金は単なる金属ではなく、人類の歴史とともに歩んできた特別な存在です。古代エジプトでは権力者の装飾品として珍重され、古代ローマでは通貨の素材に使われてきました。
中世のヨーロッパでも、金は宗教的・政治的象徴として、聖杯や王冠などの格式高い品々に利用されてきた背景があります。
金には、数千年にわたって人々の間で価値を認められ、世界中で受け入れられてきた実績があります。時代や国を問わず支持されてきた信頼の歴史が、今もなお金の価値を下支えしているのです。
加工がしやすい
金の価値を押し上げているもう一つの大きな要因が、「使いやすさ」と「多用途性」です。金は柔らかく、加工がしやすい性質を持っています。
そのため、ジュエリーや装飾品から、工業製品や精密機器、さらには医療分野にまで幅広く利用されています。導電性や耐腐食性にも優れているため、電子部品などの微細な作業にも適しており、現代の産業でも欠かせない存在です。
このように、見た目の美しさだけでなく、実用的な側面でも高く評価されていることが、金の価値を支え続けています。
流動性が高い
金が投資対象として選ばれる理由の一つに、「高い流動性」があります。つまり、保有している金を現金や他の資産にすぐに換えられるということです。
金は価値がゼロになるリスクが極めて低く、相場が下がることはあっても、価値そのものが消えることはほとんどありません。世界中どこでも需要があり、相場価格が比較的安定しているため、長期保有にも短期売却にも適しています。
このように、必要なときにすぐ現金化できる柔軟性の高さは、他の金融商品と比較しても大きな魅力となっており、金の価値を確固たるものにしています。
金相場が高騰している理由
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近年、金の価格が急上昇している背景には、さまざまな世界的要因が絡んでいます。とくに2024年以降は、過去最高値を更新する勢いで高騰が続いており、多くの投資家や一般消費者がその理由に注目しています。それでは、具体的な高騰理由を見ていきましょう。
需要が増加している
金の相場が上がる大きな理由のひとつが、「需要>供給」の市場構造の変化です。現在、世界的に金の需要が高まっており、それに対して供給が追いついていない状況が続いています。
需給のバランスが崩れれば、当然価格は上昇していくでしょう。金の供給源としては、鉱山からの産出量やリサイクルによるスクラップ金属の回収などがあります。
一方、需要の側面では、宝飾品としての人気はもちろん、投資対象としての金、IT機器などテクノロジー用途、各国中央銀行による保有増などが影響しています。特に株式市場の不安定化や経済情勢の悪化時には、リスクを回避するために金に資金が流れやすくなり、結果として価格がさらに上昇する傾向にあるのです。
インフレ傾向にある
現在、多くの国々でインフレ懸念が高まっており、それが金の需要拡大につながっています。インフレとは、物価が継続的に上昇し、お金の価値が下がる現象です。
このような環境では、相対的に価値が落ちにくい資産が注目されるのですが、その代表格が金です。物価とともに金の価格も上がるため、インフレ時には資産保全の手段として金を保有する人が増えます。
また、景気後退期でも金は安定資産として買われる傾向があります。例えば、企業業績が悪化し株価が下がるような局面でも、金は破綻リスクが低いため、安心感が強いです。
そうしたタイミングでは、金への投資需要が増し、価格上昇を招くのです。インフレ・デフレどちらの局面でも金が注目される背景には、上記のような「実物資産としての強さ」があります。
円安の影響が大きい
2024年以降、円安が進行する中で、金の価格にも大きな影響を与えています。金は基本的に米ドル建てで取引されているため、為替相場と密接に関係しています。
特に日本国内では、円の価値が下がると、相対的に金の価格が上がる傾向があります。例えば、1ドル=90円の時よりも、1ドル=100円の時のほうが、日本円で見た金の価格は高くなります。
このように、金はドルとの相関が高く、ドルが弱くなれば金は買われやすくなり、円安時には日本国内での金相場の上昇要因となるのです。
為替が動くたびに金価格も揺れるため、今後も円安トレンドが続けば、金の価格はさらに高値を更新する可能性があります。
世界的に低金利の傾向にある
近年、世界的に金利の低下が続いており、それに伴って金の魅力が増しています。かつては銀行に預金しておくだけでも一定の利子収入が得られましたが、現在のような低金利下では、資産を増やす手段としての魅力は乏しくなっています。
特にアメリカの中央銀行(FRB)が金利引き下げを実施するなど、先進国を中心に金融緩和が進む中、利回りのない金にも投資価値が見出されるようになりました。金は利息を生まない一方で、価格が安定しやすく、インフレにも強い特性があります。
そのため、利回りが期待できない時代には、「減らない資産」として金に注目が集まりやすいのです。今後も低金利が続けば、金の需要はさらに高まり、相場の上昇も続く可能性があります。
参考:米FRBが大幅利下げを発表、4年半ぶり – BBCニュース
地政学リスクの影響を受けている
世界情勢の不安定さも、金の価格を押し上げる要因の一つです。紛争や政情不安、テロ、大規模な感染症拡大など、いわゆる「地政学リスク」が高まると、人々はより安全な資産へのシフトを図る傾向があります。その代表格が金です。
例えば、現在も解決の兆しが見えないロシア・ウクライナ情勢や、中東における緊張の高まりなどが、金の需要を押し上げている背景にあります。
先の読めない状況が続くと、株や債券などの変動リスクの高い資産から、安全性の高い金に資金が集まりやすくなるのです。その結果、金相場はどんどん上昇していきます。
逆に、世界が安定し地政学的リスクが後退すると、金以外の資産にお金が戻り、価格は落ち着く可能性もあります。
各国の中央銀行が金を購入している
世界各国の中央銀行が金を積極的に購入していることも、金価格を押し上げている大きな要因です。中央銀行は、為替リスクや経済的ショックに備えて金を保有する傾向があり、その動きが市場に与える影響はとても大きいです。
特にリーマンショック以降、ドルに対する信認が揺らぎを見せたことで、中央銀行の金保有に対する姿勢がより積極的になってきました。2024年には、中国やトルコ、インドなどの国々が金の購入量を大幅に増やしており、世界全体での金需要を後押ししています。
上記のような国際的な買いの動きが続く限り、金相場が下がる兆しは見えにくいと言えるでしょう。政府レベルでの購入が増加すればするほど、金は「安全資産」としての存在感をさらに強めることになります。
参考:各国中銀の金購入、4月に大幅増加 価格高騰も需要堅調=WGC | ロイター
今後金の価値はどう推移していくのか?
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これからの金相場については、「短期〜中期」と「長期」の2つの視点から見通しを立てることが重要です。
まず短期から中期にかけては、現在の高騰が一段落し、相場が落ち着く、もしくは一時的に値下がりする可能性も否定できません。これは、世界の政治・経済状況によっては、保有していた金を売却する人が増える可能性があるためです。
しかし、長い目で見た場合には、金の価格が今後も上昇していく可能性が高いと考えられます。採掘コストの上昇に加えて、地球上に存在する金の埋蔵量が限られていることが、価格を押し上げる要因となるためです。
さらに、これまで主に宝飾品として消費されてきた金が、今後は産業用途でも利用が拡大していくと見られ、需要の増加に拍車がかかることが予想されます。
このように、金相場には短期的な調整局面と、長期的な上昇傾向の2つの面があります。金への投資を検討している方は、直近の相場だけでなく、中長期的なトレンドにも目を向けて判断することが大切です。
ブランドガーデン株式会社でも、金の売却に関する相談を受け付けております。売却のタイミングにふさわしい時期はいつなのか、より高く売却できるポイントはないのかなど、不安や疑問点があればいつでもご相談ください。
まとめ
金が持つ本質的な価値と、現在の買取相場が高騰している背景を知ることで、ご自身の資産価値を見直す良い機会になるはずです。「古いデザインだから…」「使っていないからそのままにしている」という金製品があれば、今こそ見直すチャンスかもしれません。
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