
金はその希少価値や安定性から、経済不安定な時期にも価値を保つことができるとして、投資家や資産家の間で人気の高い貴金属の一つです。
その中でも金の延べ棒は特に象徴的な存在で、直接的に金を保有する方法として多くの人々に選ばれています。本記事では、金の延べ棒を投資対象として考える際に必要な金の延べ棒の特徴やメリット、デメリットについて詳しく解説します。
金の延べ棒の価格相場
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2025年4月現在、金価格は1オンスあたり約3,500ドルを超え、過去最高水準に達しています。この価格上昇は、世界的な経済不安やインフレ懸念、地政学的リスクの高まりなどが背景にあります。
専門家は、今後も金価格が上昇する可能性があると予測しており、2025年末までに1オンスあたり3,700ドル、2026年には1オンスあたり4,000ドルに達するとの見方もあります。
金の延べ棒とは
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「金の延べ棒(ゴールドバー)」といえば、裕福な人だけが手にするものという印象を持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、金の延べ棒は個人でも手軽に購入できる現実的な資産の一つです。
近年では、少額から金への投資を始める人も増えており、金の延べ棒は「身近な実物資産」としても注目されています。
金の延べ棒の別名「インゴット」
金の延べ棒は、別名「インゴット」や「ゴールドバー」とも呼ばれています。インゴット(ingot)は「鋳塊(ちゅうかい)」を意味し、金属を溶かして鋳型に流し込み、一定の形に固めた塊のことです。
多くの場合は長方形の厚板型が一般的で、金に限らず、銀・プラチナ・アルミニウムなどさまざまな金属で作られるものがあります。
金のインゴットには、金の純度(例:999.9やK24)や重さ、製造元などの刻印が施されており、その価値が明確に把握できるのが特徴です。こうした情報が刻まれていることで、売買や資産評価がスムーズに行えるメリットがあります。
「地金」との違い
金に関連する用語として知っておきたいのが「地金(じがね)」です。地金とは、金属そのものを原材料として捉えたときの名称で、金の地金、銀の地金などと呼ばれます。投資の場面では、「金の地金=金の延べ棒(インゴット)」として扱われることが多く、ほぼ同義と考えて問題ありません。
ただし、厳密に言えば「地金」は製品になる前の素材状態を指し、「インゴット」はその地金を加工して一定の形に整えた製品であるという違いがあります。
「本物」の金の延べ棒の見極め方
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金の延べ棒を購入する際には、その品質と信頼性を確認することが重要です。以下のポイントに注意しましょう。
「K24」の刻印がある
金の純度は「カラット(K)」で表され、K24は純度99.99%の純金を示します。金の延べ棒には、通常「K24」や「999.9」などの刻印があり、これにより純度が確認できます。
刻印がない、または不明瞭な場合は、信頼性に疑問が生じるため、購入を控えるべきです。
世界基準の「LBMA」
ロンドン貴金属市場協会(LBMA)は、金の延べ棒の品質基準を定める国際的な機関です。LBMAが認定する「グッド・デリバリー・バー」は、純度や重量、寸法などの厳格な基準を満たしており、世界中で信頼されています。
LBMA認定の金の延べ棒には、製造元の刻印やシリアルナンバー、純度、製造年などが明記されています。LBMAの公式サイトでは、認定された製造業者のリストや詳細な基準が公開されているので、ぜひ参考にしてみてください。
金の延べ棒の刻印
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金の延べ棒には、いわゆる「保証書」のような書面が添付されることはほとんどありません。その代わりに、延べ棒自体に刻まれた「刻印」が、品質を証明する重要な情報となります。
刻印には、ブランド名や製造元の商標、製錬・分析を担当した業者のマーク、金の純度を示す品位、素材の種類、そして個別に振られた製造番号など、さまざまな情報が含まれています。上記の刻印が正しく入っていることで、その延べ棒が信頼できるものかどうかを判断できるのです。
中でも特に重要なのが「品位表示」で、これは金の純度を表しています。例えば、純度99.99%の金には「999.9」の表記が刻まれています。
また、品位とともに重視されるのが「重量表示」で、これはその延べ棒の重さを示すものです。品位と重量の両方が明記されていることで、金の延べ棒としての価値が明確になります。
金の延べ棒の大きさや重さ
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金の延べ棒には複数のサイズが存在しており、購入の方法や目的に応じて選ばれることが多いです。実店舗であれば実際に手にとってサイズ感を確認できますが、インターネットや電話で購入する場合には、あらかじめ大きさの目安を把握しておくことが重要です。
1kg~100gまでの金の延べ棒
1kg〜100g程度の延べ棒は、資産運用や保管用として個人でも購入しやすいサイズです。サイズの具体例を以下にまとめてみましょう。
重さ |
サイズ |
1kg |
113mm×52mm×10mm |
500g |
87mm×44mm×9mm |
300g |
77mm×33mm×7mm |
200g |
48mm×28mm×8mm |
100g |
40mm×24mm×6mm |
この中でも特に人気があるのは100gサイズの延べ棒です。持ち運びやすく、現金化も比較的スムーズに行えるため、金の購入が初めての方にも扱いやすいサイズとして支持を集めています。
また、コンパクトで収納場所に困らない点も自宅保管に向いている理由のひとつです。
100g未満の金の延べ棒
100g未満の金の延べ棒は、資産形成を主な目的とするよりも、贈り物や記念品、あるいは装飾品として活用されることが多くなっています。
そのため、実用性よりもデザインや携帯性、象徴的な価値が重視される傾向にあります。こうした延べ棒は、大切な人への贈答品としても選ばれることもあり、特別な節目やお祝いのシーンで用いられるケースが多いです。
以下に、100g未満の代表的な延べ棒サイズを示します。
重さ |
サイズ |
50g |
40mm×25mm×3.5mm |
20g |
33mm×20mm×2.1mm |
10g |
27mm×17mm×1.6mm |
5g |
20mm×12.5mm×1.5mm |
サイズが小さい分、持ち運びしやすく、目立ちすぎないデザインで日常生活の中にも取り入れやすいのが特徴です。
ラージバーと呼ばれる金の延べ棒
約12.5kgもある金の延べ棒は「ラージバー」と呼ばれ、市場に流通している中では最も大きなサイズの金塊です。
その寸法はおよそ250mm×64mm×40mmとされ、長さは25cmを超えるほど。まさに圧巻の存在感を放つインゴットです。この大きさから、ラージバーは一般消費者向けというよりは、銀行や政府関連機関が保有するために使用されるのが一般的です。
価値がとても高いため、個人での取り扱いには高いリスクとコストを伴いますが、一部の富裕層や企業が資産分散の一環として購入することもあります。このタイプは、金庫による厳重な保管が求められることもあり、手軽に保有できるものではありません。
金の延べ棒を購入できる場所
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金の延べ棒は、貴金属店や地金商、製錬会社、一部の銀行などで購入できます。信頼性の高い店舗としては、「一般社団法人 日本金地金流通協会」に登録された取扱店がおすすめです。偽造品のリスクを避けるためにも、信頼できる店舗を選びましょう。また、インターネットや電話での購入も可能です。
店舗に行けない方には便利な方法ですが、写真や説明文をよく確認し、販売店の信頼性を見極めることが重要です。オンライン購入では、実物のサイズ感や質感がイメージと異なる場合もあるため、事前に情報をよく調べ、疑問があれば販売店に確認してから購入しましょう。
金の延べ棒に投資するメリット
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金の延べ棒(インゴット)への投資には、主に4つの利点があります。
- 少額から始められる
5gなどの小単位でも購入でき、初心者でも手軽に始められます。 - 価格変動による利益が狙える
価格が下がったときに購入し、上がったときに売却することでリターンを得やすいのが特徴です。 - 不況時にも強い実物資産
経済が不安定なときに価格が上がる傾向があり、リーマンショックのような危機でも資産の価値を保ちやすいとされています。 - 長期保有で節税効果がある
5年以上保有すると、売却益にかかる税金が半額になる優遇措置があります。
また、金は会社の倒産などに左右されず、自身に価値があるため、長期的な価値保存にも向いています。
金の延べ棒に投資するデメリット
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金の延べ棒(インゴット)は資産として魅力がありますが、以下のような注意点もあります。
- 手数料がかかる
500g未満のインゴットには「バーチャージ」と呼ばれる手数料が発生します。金額は店舗によって異なるため、事前の比較が重要です。 - 保管リスクがある
現物資産のため、盗難や紛失のリスクがあります。自宅保管には防犯対策が必要で、貸金庫などの活用も検討が必要です。 - 保有中に収益が出ない
株式のような配当や利息がなく、持っているだけでは利益は生まれません。 - 課税対象となる
売却益が出た場合、譲渡所得として課税されるため、税制についての理解も求められます。
こうした点を踏まえたうえで、金の延べ棒投資を検討することが大切です。
購入した金の延べ棒を売却するポイント
次に、購入した金の延べ棒を売却するポイントをご紹介します。
買い取りに出す最適なタイミング
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金の延べ棒を売却する際には、価格の動向をじっくり観察し、売る時期を見極めることが重要です。市場では金の相場が常に変動しており、利益を最大化するためにはタイミングを逃さないことがカギとなります。
特に、経済情勢が不安定なときに金の価値が上昇する傾向があるため、そうした局面での売却が有利です。金は今後も高値が続く可能性はあるものの、どこかで価格が下落に転じるリスクもあるため、相場の動向には注意が必要です。
不況が始まった直後は価格が落ち着くまで売却を控え、値上がりがピークに近づいたときや下落し始めたタイミングを狙うとよいでしょう。
査定基準を確認しておく
金の延べ棒を売却する際には、査定基準をあらかじめ理解しておくことが大切です。
買取価格は主に金の相場に加え、重さ(質量)、純度、ブランドの信頼性、品位、そして業者が設定する手数料によって決まります。上記の要素を総合的に見て、提示された査定額が妥当かどうかを見極めることが大切です。
特に注意したいのは買取手数料です。業者によって自由に設定できるため、手数料の差が大きな収益差につながることもあります。
一見「手数料無料」とうたっている業者でも、その分金の単価を低めに設定しているケースがあるため、事前にしっかり確認しましょう。
複数の業者を比較検討する
金を売却する際に重要なのは、信頼できる買取業者を選ぶことです。査定基準を理解していれば、ある程度の買取価格を予測することが可能ですが、中には相場よりも安く買い取ろうとする業者も存在します。適正価格での取引を実現するためには、業者の誠実さと透明性がカギを握ります。
まず、スタッフの対応が丁寧かどうか、査定内容について明確な説明があるかを確認しましょう。また、買取手数料が不当に高く設定されていないか、提示された価格が市場相場と大きくかけ離れていないかもチェックすべきポイントです。インターネット上の口コミや評判を参考にするのも有効ですが、最終的には複数の業者に見積もりを依頼し、総合的に比較して決めるのが賢明です。
まとめ
金の延べ棒は、安定した価値を誇る貴金属として、長期的な資産運用に適しています。その高い流動性や金そのものの価値の保全力は、金融市場の変動から自分の資産を守るための有力な手段です。
しかし、サイズや購入場所、価格の変動など、いくつかの注意点を理解した上で購入することが大切です。
もし、信頼できる金の延べ棒購入のサポートを求めているのであれば、ブランドガーデン株式会社にご相談ください。ブランドガーデン株式会社では、金の延べ棒に関する専門的なアドバイスや購入サポートを提供しています。金の購入をお考えの際は、ぜひ気軽にご相談ください。